クラッチの油圧化

KZ1300のクラッチケーブルはエンジン・エキパイのすぐ横を通しているため、熱ですぐにグリスが流れてしまい、動きが渋くなる・錆びる。しゅう動抵抗が大きいためにクラッチーケーブル切断の危険性が高まります。(ツーリングで切れた時の絶望感といったら...)

そこで!、クラッチシステムの油圧化に挑戦しました。

構想の立案

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KZ1300(左)とZRX1100(右)のパーツリストをやぶにらみ...KZ1300はリリースカム16を回す事によってクラッチロッド15を押し込み、調整ネジ21で間隙調整をしています。

一方、ZRXは油圧クラッチでスプリングが入っているため常にロッドにプリロードがかかっています。

構造は結構簡単でKZ1300のリリースカムを油圧で押し込んでしまえば、実現出来ると思いました。調整ネジ21に直接ピストンを当てるのはちょっと良くないのでカラーを入れてナットかクラッチレバー18を押すようにする方向で制作します。

現物あわせ

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ZRX用のリリースアッシ(左)を実際に入手してみるとピストンはフラットではなく凹んでいてロッドを押すとこにボールが埋め込んであります。実際クラッチレバーに当ててみたところ調整ネジおよびナットには干渉しなかったので構想段階でのカラーいりません、直接クラッチレバー(の板)を押し込む事にします。そのためピストン中心とロッドの位置の芯出しがいらず、レイアウトに余裕ができます。

リリースプレートの製作&組付け

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現物あわせのボール紙を元にリリースプレートを制作します。たわみ方向の強度が欲しいためアルミ合金は使いません。亜鉛メッキした冷間圧延鋼板(いわゆるSPCC)t2.3をNCレーザー加工により制作し、3枚重ねで使用しています。基本的には亜鉛メッキ鋼板なので防錆力はありますが、さらに亜鉛の防錆塗装をし、インチキカッティングシートでカーボン諷に仕上げました。

リリースプレートの寸法図

リリースプレートの図面

ボール紙で取付けプレートの型紙を作ります。取付け位置が右上に寄っているためプレートの固定穴とリリースアッシの干渉は微妙です。

クラッチマスター&パイピング

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別体式のクラッチマスター(φ14mm)を使用して油圧システムとします。油圧ホースはノーマルのクラッチケーブルと同じ取り回しにして120cmです。クラッチマスター、左SW、カウルステーの取り回しが一番苦労しました。左SWとクラッチマスターとは上から出る配線があるため干渉しています。これも交換か...

考察:油圧クラッチにしてみて...

油圧クラッチは基本的に遊びがなく、油圧ピストンのストロークで直接クラッチのロッドを押し込みます。今までのケーブル/リンク方式では16と22のパーツ、つまりカムとカムフォロアを使用して押し込んでいたのですが20年の間に磨耗で押し込みが少なくなっていたと考えられます。ニュートラルから1速に入れる時のシフトショックは明らかに小さくなり(というかほとんどなくなった)、トランスミッションへのショックもなくなりました。ケーブル摺動による渋さも当然ですがなくなりました。クラッチ動作自体も少しは軽くなるかな?と思いましたがあまり変わりません。レバー比の変更できるマスター(高価ですが...)を使用すれば軽くなるかもしれません。

カーボンのカッティングシートと油圧ホースが馴染んでいないので少し浮いている?&派手?かなという感じです。寸法関係と動作確認はすんだので、リリースプレートは7mm厚のアルミ合金(ジュラルミン等)1枚からの削り出しっつーのもありかな?と考えています。