2002 乗鞍ツーリング

今年の通行期間一杯で走れなくなる乗鞍スカイラインを走ってきました。 小説(?)風に...

目が覚めてしばらくすると、雨が降りだした。

「ちっ、めんどうなことなった」 バルコニーから曇天を見上げ様子を伺う、まだ出発には時間がある。 天気予報では曇りのはずなのだ。

朝食にコーヒーとパンをかじり、やり残していた出発の準備をしていると雨が上がっていた。

まだ軽装のまま、外にでてバイクカバーをはずし、跳ね返りの雨を軽く拭く。 ここからがKZ1300の始動の儀式だ。

左サイドカバーをはずす、自己放電を防ぐためターミナルからマイナスライン自体をはずしているのだ。 これを六角レンチで締め直す。

ピンゲルのフローコックをオンにし、続けてメインスイッチをオンにする。 メータパネルのオイルとニュートラルランプの光量も平気だ。 ほぼ同時にソレノイドフュエルランプの起動音から、タンクからフロートラインまでガソリンがたまっていくのを感じる。

チョークレバーをあげ、ひと呼吸置く。 これまでの感触ではセル一発でエンジンが掛かるルーティーンではあるが、未練がましくセルをまわすよりも押しがけで掛けることも考えながらセルスターターボタンをおした。

一回め、ガソリンがいってないような軽い回転音とセルスターターボタンを離した時に火がはいったような音になる。 二回めセルをまわした途端に火が入った。

「よし」小さくつぶやいた。

雨が上がっている間に、クラウザーのサイドバッグを取り付ける、トップはツーリングバッグを取り付ける。 下だけレインウエアを身に付ける。

ヘルメットを被る、Arai SZ ramは蒸し暑い夏には最適だ。 グローブを着け、レインウエアで少し跨ぐのに難儀しながらポジションを調整し、ギヤを1速にいれる。 さぁ出発だ。

今日は平日、中央高速も空いているので快適に走れる、途中何度か雨に降られたが大したことなく松本ICについた、丁度2時間だ。 双葉SAで休憩したが平均100km/hを維持できた。 昼頃に松本駅で相方と合流し158号を安房峠に向かう。

松本電鉄の終点新島々をすぎた辺りから雨が降ってきた。 すこし早いかな?と思いつつもレインウエアを着込む、しかし程なく昼食を取ろうと稲核ダムの近くにある「徳心」という定食屋に入りてんぷら定食と煮込みうどんを食べる、もう観光シーズンではあるが平日なのでガラガラだ。

飯を食べていると雨が強くなってきた。 食事を終わった後もしばらく外を眺めていたが埒があかないのでまたレインウエアを着込み出発した。

安房峠/安房トンネルの入り口までくるとほとんど雨は上がっていた、どうせならということでトンネルではなく安房峠を越える、かなり急ではあるがつづら折れを越える度に標高があがり時々のぞく山並に目を引かれてしまう、おっとー落ちたらそのまま行方不明になってしまう。

峠を越えると平湯温泉街に到着だ、バスターミナルもあるため賑わっている。 この周辺の情報を得る為にバスターミナルの並びにある自然センターに入って情報を取得。 地方のセンターにありがちな設備は豪華で閑散な状況だ。 それでも乗鞍/上高地の自然や動植物の紹介があるため、まったりと見物。 脱いだレインウエアを干しながらバスターミナルに踵をかえし、ジュースを買って一服だ。

今日の泊まりはこの近くの平湯キャンプ場だ、自分はしないがこのキャンプ場は直火もOKになっている。 受付を済ませキャンプを設営する。 ふー、テントの中でごろ寝、しばしの休憩だ。

・・・といってももう夕方なので、食事の買い出しなどにいかないと店がしまってしまうので、身軽になったバイクにまたがり一山越えたAコープへ。 買い出しもすませた。

キャンプ場に戻る前に近くにある平湯の滝を見にいくと前日からの台風/雨でものすごい水量で滝が飛沫をあげていた。

次は風呂だ!温泉だ!最初、平湯温泉の手前にある神の湯にいこうとおもったが18時程度でとっとと閉まっていた。 なので平湯温泉の平湯の森という温泉にいく。 温泉街なのでそんなに期待はしてなかったがけっこうイイ!露天も広く露天風呂自体も10以上ある。 内湯の方はシャンプーとかも備えられているので体をあらった後は露天風呂でのんびりする。

露天をはいったりでたりしてたがいい加減しわしわになってきたのででると無料の休憩所があり有料のマッサージ機等があった。 金は入れなかったがマッサージ機に座りうつらううつらしていると相方もでてきてアイスを食べさっぱりしたところでキャンプ場にもどった。

夕飯を食べ、まったりしていると強風のため乗鞍スカイラインは通行止めになっているという情報が入ってきた。 むむむ・・・明日は大丈夫か!?と一抹の不安を覚えつつ就寝。


軽い朝食を食べ出発の準備をする。 今日も平湯キャンプ場連泊なので荷物は身軽だ。

ガス欠な訳ではないが、念のためガソリンを満タンにしておこうとすぐ近くのGSへいくと車が三台ほど止まってた。 今日は土曜なので朝から混んでいるのかなと思ったら、車に乗っていたおっちゃんは、なんとGS店員は今来たがおっちゃん達は夜明けにきて乗鞍スカイラインにいってしまうとGSがないためここでいれようと朝5時くらいから3時間以上も待ってたそうだ。

御愁傷様だと思ったが自分たちはタイミングよくガソリン満タンにして出発だ。

GSから数百mのところに乗鞍スカイラインの交通状況電光掲示板があるが大して気にせず通過した。 通過してなんとなく視界に入った文字列がひっかかり、Uターンして確認するとなんと「強風のため2輪通行禁止」、禁止ぃ〜?!!!ふざけるな!

雪が残っている

頭の中をフル回転しリルートを算出する、現在の天候とスカイラインのゲートの位置を考慮し、当初の予定であった乗鞍スカイライン→乗鞍エコーラインの予定を乗鞍エコーライン→乗鞍スカイラインと変更することにした。

安房トンネルをぬけ野麦街道から上高地乗鞍林道を通り乗鞍高原へ、風は相変わらず強いが快晴だ、暑いくらいだ。

乗鞍高原観光センターから程近い牛留め池や善五郎の滝、三本の滝を見物しつつ乗鞍エコーラインを畳平へ向かう。 三本の滝を越えて標高があがってくると次第に風、霧が強くなってきて気温も急激に下がり肌寒くなった。 気圧も下がってエンジンの吹けがみるみる悪くなり周囲には迷惑だが煽りを入れながらすすむ。

なんか先が詰まってるな、と思ったら畳平は大渋滞だった。 道が狭いため難儀したがすり抜けをしてなんとか畳平に到着、ここは乗鞍スカイラインとエコーラインの終点/合流点なのでえらい混雑だ。 前回来たときはシーズン前の平日だったので空いていたがえらい違いで正直驚いた。

畳平到着

畳平で昼食をとる、飛騨らしく朴葉味噌定食だ。 売店では試食も多くていろいろつまんで腹がふくれた。

乗鞍スカイラインに入ったが、当初のルートであった平湯からは大渋滞になっていた。 終点の畳平は駐車場で駐車場が満杯なんだから進むわけがない。 自分らの走る逆側は空いている為、渋滞を横目に見ながら出発した。 3km程駐車場待ち渋滞である。

曇ってはいるがところどころ晴れ間も見えるなか快適に走行、とはいえこんなにもマイカーが集まった場合の環境破壊は相当なものがあるだろうなぁと思う。 通常走行は今年で終わりで来年からは上高地のようにマイカー規制が始まるのも致し方ないのかなぁと漠然と考えていた。

途中の展望所で休憩を取りながら、景色を眺めつつ多分もうバイクでは走れないであろう乗鞍スカイラインを走りきる。 平湯の料金所で通行料を支払い、出てすぐの駐車場でしばらく休憩する。 上空はまだすこし曇っているが時折雲が流れて山々が見える。

まだ時間が早かったので高山方面に10km程いったところにある奥飛騨鍾乳洞に立ち寄ってみることにした。 平湯料金所の近くのお土産屋でも割引券がおいてあるので抜かりなく入手しておいた。

100kgの金塊

奥飛騨鍾乳洞につくころにはもう梅雨明けといってもいいくらいの天候で灼熱になっていた。 革ジャンをバイクにくくりつけて入場する。 まず、鍾乳洞の前にここの社長?らしき人が集めた大橋美術館とやらを経由しなくてはならない、ここがまたテーマもなにもなく、化石からアジアからギリシャのほうから100kgもの金塊やら手当たり次第に展示してある。 ここの社長はずいぶんな蒐集癖だなぁとあきれた。

しつこいくらい大橋コレクションをみせられてやっと鍾乳洞へ、灼熱な外を忘れる程の涼しさだ、生き返った感がある。 鍾乳洞といえば鍾乳石の形に無理やり命名してあるのが常だが多分に漏れずいろいろな名前がついている。 この鍾乳洞はなかなか大きくて途中で離脱ポイントがあるが最後まで踏破する。 やっと外へ出ると入り口からは大分離れたようだ。

・・・と思っていたら大橋恐るべし、出口からはまた宝石美術館とやらにまたつながっていて水晶やらを展示してあった。

まあ、いろいろサムいところもあったがここまでやるかというボリュームではそこそこ楽しめたかと好意的に考えることにした。

また平湯に戻るわけだが途中に銚子の滝とかいうのがあったのでちょっと寄ってみた、駐車場からは遠くて疲れたがこれまたもの凄い水量で飛沫でかなり濡れてしまう。 まあ涼しくなっていい感じだ。

平湯キャンプ場まで戻り、先日は入れなかった平湯温泉街の端にある神の湯温泉にはいる愛想のないおっさんに料金をはらい温泉につかった。 なんだかんだで結構疲れたのか温泉が気持ち良い。

夕食は平湯温泉街で食べることにした、バスターミナルにバイクを置いてつらつらと温泉街を巡る、なんだかんだで奥飛騨宝ラーメンというラーメン屋に入った。 とくに特徴もなかったがまずくはなかった。 ラーメンを食べて外へでると前の売店ではんたいたまごという名前で温泉卵を売っていた、黄身がかたまって白身がかたまらないのではんたいたまごなんだそうだ。 はんたいたまごと冷たいラムネを店先のベンチで食し、腹もふくれたところでキャンプ場にもどりのんびりする。

土曜日になっているのでキャンプ場も賑わっていた、隣は団体だったのだがどうも初対面風な会話が聞こえてきてどういう関係だ?ネット絡みか?とか考えた。 宴会を尻目にテントに入って微睡む。 暑くもなく寒くもなくよい感じだ。 明日は上高地に朝早いバスで行くつもりなので早く寝ることにした。


朝3時頃、テントをたたく雨音で目が覚めた、唸りたい気分になったが、ひと呼吸で気持ちを切り替える。 上高地に行くか行くまいか?上高地にむかう始バスは5時なのでそのあたりまで様子をみて、また午前中の天気予報を考えることにして5時過ぎまでまた寝ることにした。

6時くらいになっても天候が悪いのでコースを切り替えて、上高地散策からビーナスライン疾走に切り替えた。 が、天候が良くなるんではないかとも葛藤を繰り返す。 しかし7時くらいになってもう上高地に行くには遅くなってきて吹っ切れた。 ゆっくり朝食を食べて出発することにした。

白骨温泉

いきなりビーナスラインにいかずに寄り道をして白骨温泉にて朝風呂を浴びることにした。 白骨温泉も混雑が始まっていたが、奥地の温泉旅館に行くことにした。 ここにも露天風呂があるが、男風呂は「ん?」道路から丸見えだ。 まぁ男風呂だからいいか。 入ったときは貸し切り状態だったので、入浴中の写真をとったりした。 そんなこんなで白濁した湯に使っていると地元らしいおじさんがきて、少しはなす、どこから来たんかね〜と聞かれバイクで東京からと答えると学生さんかねといわれた。 学生かい!と突っ込みそうになった。

風呂をあびてさっぱりしたところで出発。 松本を過ぎるくらいにはすっかり晴天になり革ジャンが厳しい。 しかし標高をあげてビーナスラインに入ると涼しく風も心地よかった。 乗鞍スカイラインと反対にこちらは今年から通行無料だ。 以前きたときは結構高い通行料を払ったが無料でなにより料金所でごそごそしなくてよいのが快適だ。

快適だとあっというまに過ぎてしまい、ビーナスラインから上諏訪までいく。 このころにはもう灼熱で諏訪湖の少し上の立石公園でぐったりした。 タンクの熱とシートからも熱がでてかなりヤバい。 股がやけどするくらいの温度だ。

諏訪インターから高速にのりこのツーリングの帰路につく。 天候にはいまいちめぐまれなかったので、いい季節にまたきてやる覚悟しとけよ、乗鞍・上高地。 と意味のわからない感想を抱きつつ・・・・